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古写真に残された幕末・明治の日本



古写真に残された幕末・明治の日本

古写真に残された幕末・明治の日本

本コレクションは英国の幕末・明治期の古写真研究者が40年を費やし収集したコレクションです。総点数は3,100余点で、今日個人が所蔵する日本の古写真の最も重要なコレクションと言われています。本コレクションの写真は1851年より1912年にかけて撮影されたもので、1点制作のものも多く、極めて貴重な内容です。将来、同規模のコレクションを制作するのは不可能であると言われています。内容は職人、芸者、武士、皇族、庶民の写真と北海道から九州に至る都市、町、村の風景写真と建築写真、アルバム帳など多岐にわたっています。それぞれの写真は芸術性が高く、歴史的重要性も備わった選りすぐりの内容です。本コレクションには幕末・明治期に活躍した日本と西洋の主要な写真家の作品が網羅されています。また、写真の技法も多様で、銀板写真(ダゲレオタイプ)から日本初のマンモスサイズの写真まで幅広い内容で構成されています。以下がこのコレクションの概要です。

 

  • 1851年にサンフランシスコで日本人を撮影した最古の銀板写真2枚と1854年撮影の1枚の銀板写真
  • 19世紀の最高の写真技術で撮影された15枚のチャールズ・ウィードのマンモスサイズの写真
  • 13枚の他の写真家によるマンモスサイズの写真
  • 28冊の貴重なアルバム帳 : 作者はベアト、バロン・シュティルフリード、松崎晋二、小川一真、江南信国、日下部金兵衛、鈴木真一、内田九一、金丸源三、臼井秀三郎、山本スタジオなど
  • 著名写真家の作品:ベアト(50点)、鈴木真一(112点)、バロン・スティルフリード(36点)、内田九一(35点)、市田左右太(25点)、金丸源三(28点)、下岡蓮杖(16点)、上野彦馬(15点)など
  • 350枚のステレオ写真
  • 250枚の手札写真
  • 35枚のガラス幻燈写真 
  • このほか、ヴィルヘルム・ブルガー、ヘルマン・アンダーセン、エミール・モルゴルフィエ、ミヒャエル・モーザー、ハーバート・ポンティング、ピエール・ロシェ、ジョン・ウィルソン、ウィリアム・サンダース、ミルトン・ミラー、田本研造、武林盛一、江崎礼二、水野半兵衛などの写真など

 

 

本コレクションには日本人を撮影した最古の2枚の銀板写真(ダゲレオタイプ)が含まれています。1851年にサンフランシスコでハーヴェイ・R・マークスが撮影した難破民と濱田彦蔵の肖像です。この漂流民と彦蔵の乗った栄力丸は1850年12月2日に太平洋で難破、52日間の漂流後、乗員17人はアメリカ商船に救助され、1851年3月にサンフランシスコに到着しました。その際に撮影されたのがこの銀板写真です。1858年に濱田彦蔵は日系アメリカ人の第1号としてアメリカに帰化、ジョセフ・ヒコと名乗り、アメリカの二人の大統領と会見しました。1859年にはハリス公使の通訳として帰着、日米通商条約の実施、遣米使節の派遣などの外交交渉で活躍しました。1862年に帰国後は貿易商として活動、1864年には日本での民間初の邦字新聞『海外新聞』を横浜で発行、日本における新聞の父と言われています。

 

また本コレクションには撮影者が不明ですが1854年頃にアメリカで撮影された日本人の銀板写真も1枚含まれています。

 

1851年にハーヴェイ・R・マークスが撮影した別の漂流民の銀板写真が川崎市民ミュージアムと横浜美術館にそれぞれ2点所蔵されています。また、国内で撮影された最古の写真は1854年に来航したペリー提督に同行した写真師エリファレット・ブラウン・ジュニアが撮影した松前藩家老と従者の肖像及び浦賀奉行所与力の田中光儀の銀板写真ですが、この2点は現在、国の重要文化財に指定されています。

 

本コレクションにはアメリカの写真家チャールズ・ウィードが1867年に大型機材で撮影した15枚の大型写真が含まれています。ウィードは幕末の日本各地を訪ね、初めて大型機材を使い風景を撮影した歴史的な写真家として知られています。写真のフォーマットは43 x 54cmのマンモスサイズで54 x 69cmの台紙に貼り付けられています。撮影現場で超大型ガラス版に調合した感光材を塗布して大型カメラで撮影したもので、19世紀の写真技法の最高峰と言われています。撮影場所は鎌倉、江戸、横浜、長崎などで、江戸時代の残像を記録した貴重な歴史資料です。

 

下岡蓮杖、上野彦馬、内田九一など日本の写真術の開祖者たちと、日本を記録した多くの西洋人写真家の写真が含まれています。また、フェリーチェ・ベアト、鈴木真一、バロン・シュティルフリード、江南信国、小川―真などが制作した貴重な写真アルバムが多数含まれています。

 

オーストリアの写真家ヴィルヘルム・ブルガーは1867年から1870年にかけてオーストリア・ハンガリー帝国の極東調査団に同行し、日本の美術工芸品を撮影しました。その折に撮影した100枚の日本の美術品の貴重な写真アルバムが含まれています。ヨーロッパの万国博覧会の展示を通じ、西欧が注目し始めた時代の日本の工芸品の実像を知る貴重な記録です。また、1877年に松崎晋二が撮影した118枚の第1回内国勧業博覧会写真アルバム記録も貴重です。

 

本コレクションには363点で構成された著名な日本人の肖像アルバムが含まれています。皇族、貴族、政治家、軍人、作家、学者、男優、女優などが手札版(8.6x5.5cm)サイズにおさめられ、日本語とドイツ語のキャプションが付いています。この他にも歴史的重要性をもとに厳選された手札写真250点が含まれています。

 

本コレクションに含まれる写真のフォーマットは多岐にわたっています。手札写真、ステレオ写真、パノラマ写真、マンモスプリント、写真帳、ガラス幻燈写真などですが、水野半兵衛の8枚の写真蒔絵と日下部金兵衛の工房で広告用に制作された、日本の風景写真と肖像写真36枚が貼り付けられた大型(170 x 109 x 5cm)朱漆額は貴重な作品です。

 

幕末から明治に至る時代は、わが国が鎖国から開国に向かった時代でした。当時の日本には、欧米諸国では失われてしまっていた人々の生活、文化、精神、風景が奇跡的に残っていました。その存在が注目され、海外からも旅行者が訪問するようになりました。また、海外では各地で万国博覧会が開催され、日本の芸術や産物が数多く紹介され、熱狂的に受け入れられました。欧米でジャポニスムブームが開花したのもこの時代です。この時代には、日本で撮影された様々な写真が海外で紹介され、日本の認識に役立ちました。本コレクションは、西欧が注目した「日本の姿を捉え、構成されています。現在では失われてしまった「日本の姿」ですが、これらの写真はわが国にとっては後世に伝えるべき貴重な歴史的文化遺産です。コレクションの詳細リストについてはお問い合わせ下さい。梱包料・送料は価格に含まれません。

 

 

古写真に残された幕末・明治の日本
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